TEXのページ

「みんなで作るページです♪」

このページは研究室に配属されたばかりの4年生を対象として,TeXという組み版ソフトについての説明を
載せているものです.筆者の経験に基づいて書いている部分が多々ありますので,間違いもあるかと
思います.気付いた方はご連絡下さい.なお,いずれアクセス制限することも検討していますが
現時点ではまだ行っていません.外部からの訪問者の方がこのページを利用する場合には,
各自の責任のもとでお読みくださいますようお願いします.

■TeXとは?
AdobeのAcrobatをインストールしましょ♪
dviファイルをpdfファイルに変換できますよ.



1. TeXって何?

TeX(てふorてっくと読みます.)は,一言で言えば組み版ソフトです.ワードや一太郎と目的は同じ(言い切っていいのかどうか不安はあるが).ただし使い方と使い始める前の準備がそれらとはかなり異なっています.地域システム工学研究室では,論文類はTeXで作ることが基本になっています.TeXは慣れるまで少々時間がかかりますが,慣れてしまえば長ったらしい数式も文字のフォントも美しく,思いのままに表示させることができます.ワードを使っているときに図や文章が勝手に移動してイライラした経験はありませんか?TeXならそんな悩みは無用です.

2. どうやって使うの? 

まずは使っているPCにTeXをインストールします.TeXはフリーソフトです.様々なバージョンのものがweb上で提供されています.

地シスで論文やレポートのために使用しているのは主にLaTeX2.09(とLaTeX2e)です.研究室にあるパソコンにはほぼすべてに既にインストールされているので,自分で1からインストールすることはおそらくほとんどないかと思います.のでその手順については省略します.興味のある人はこのサイトなんかをみると勉強できるかもしれないです.

で,インストールしたら早速使ってみましょう.手順としては
1. テキストエディタ(使い慣れたものでよいが,地域システムでは主に「秀丸」か「MIFES」)で"**.tex"ファイルを作成・保存する.(文書入力)
2. この"**.tex"をplaTeXでコンパイルする.(platex.exe・・・・・組み版)
3. 印刷イメージをDVI(device independent---<機種に依存しない>の略)ファイルで確認する(画面表示)
4. プリンタで印刷(印刷)
という感じです.

ちなみにTeXの仕組みを図にしたのが次です.(左角が欠けている四角がファイルを表しています.)


hoge.texというTeXファイルを,秀丸やMIFES等のエディタソフトを使って作成します(どんなソフトでも構いません.「メモ帳」でもOK).これを保存するときに「ファイルの種類」を「すべてのファイル(*.*)」にして,ファイル名(ここでは”hoge”)に拡張子”.tex”をつけて保存します.これで”hoge.tex”ができます.
次にこの"hoge.tex"をコンパイルします.これを実行してくれるのが"platex.exe"というプログラムです.
"platex.exe"は最終的な印刷直前までの仕事を行い,その状態を中間ファイルに書き出します.この中間ファイルがDVIファイルです.このDVIファイルを読み込んでパソコンの画面や各種プリンタなどに出力するための専用ソフト(DVIドライバ)が,出力装置ごとに用意されています.具体的には,画面・プリンタへの出力の際は”dviout.exe”が,そしてPDFファイルへの変換には"dvipdfm.exe"が(主に)使われています.(注;PDF化にはいくつかの方法がありますが詳しくは4.で触れます)
なお,PDFファイルを閲覧するにはAdobe社のAcrobat Readerが必要です.

コンパイルするには”guishell”というソフトを使います.地域システムのほとんどのPCには入っているはずです.Windowsの「コマンドプロンプト」を使ったコマンドラインでの命令でもできますが,TeXの仕組みに慣れない内はこちらが良いと思います.Windowsを起動したデスクトップ上にに「guishellへのショートカット」がある人は,マウスで"hoge.tex"のアイコンをguisellアイコン上にドラッグ&ドロップしてください.自動的にコンパイルしてくれます.

次に,"**.tex"をどう書けばよいかについて簡単に説明しましょう.
たとえば,「はじめに」という見出しにしたい節(セクション)があれば,文書ファイルには
\section{はじめに}
と書いておきます.この\section{・・・}という命令が,たとえば「14ポイントのゴシック体で左寄せ,前後の空きは・・」というレイアウトに対応するといったことは,様式によって別のファイルに登録されています.このファイルをスタイルファイルクラスファイルと言います.標準のデザインが気に入らなければ,スタイルファイルだけ変更すれば,同じ文書ファイルでも違ったレイアウトで出力できるわけです.
文章中に数式(たとえばa=b+c)を書きたいときには
\begin{equation}       <---ここから数式が始まりますというおまじない
 a=b+c
\label{eq.1}          <---この式の名前はeq.1ですと言いたいときのおまじない 
\end{equation}        <---ここで数式は終わりですというおまじない
のように書きます.こうして使った数式に名前を付けておくことによって,同じ文書中の別の場所で
先ほどの式(\ref{eq.1})を用いて・・・
と書くと,出力したときには
先ほどの式(1)を用いて・・・
となってくれます.つまり,TeXは数式の番号を自動的に付けてくれるのです.これは章や節,図・表・参考文献などについても同様です.仮に文書中で数式の位置を入れ替えても,名前の対応がきちんと取れている限り,TeXはきちんと番号を振ってくれるのです.便利ですねー.

そのほかの具体例については,
過去に先輩の作った卒論・レポート等を見せてもらうとわかりやすいと思います.

3. TeXのバージョンアップに関連して...

地域システムのPCは現在TeXバージョンアップ強化運動実施中です.こちらのページに情報を載せてあります(Special thanks to Mr.Nakahata !).まだバージョンアップしていない方はご覧下さいませ.


4. DVIファイルをPDFファイルにしてみよう!

"**.tex"ファイルをコンパイルすると,"**.dvi"というDVIファイルができます.これは文書の印刷イメージを見せてくれるものです.この"**.dvi"を"**.pdf"に変える方法がいくつかありますので,それについてメモ程度に書き留めておきます.

☆これまでのやり方はこちら

(1)hyperrefについて

TeXを使って論文やレポートを書いたらDVIファイルを使って見直しをすると思います.作成した文書が短いものであれば問題はないのですが,数十ページ以上ある卒論やレポートを書いた場合にはその見直しも一苦労です.これを解決してくれるのが,TeXの”hyperref”パッケージです.これを使うと,なんとDVIファイルを作ったときに目次や式・参考文献等に勝手にリンクを貼ってくれます.どういうことかというと,例えばDVIファイル上の目次のページに「12.結論・・・・・・109」と書いてあったとすると,そこをクリックすれば109ページの「結論」を即座に見られます.あるいは本文中,「この式は参考文献3)により〜・・・」と書いてあったとすると,この「3)」をクリックすれば巻末の参考文献を表示してくれるというわけです.(便利でしょ)

ではさっそく使ってみましょう.これを使うにはもちろん,hyperrefパッケージが必要です.これは標準ではインストールされていないようですが,地域システムにあるPCはだいたい大丈夫だと思います.一応,「スタートー検索」でファイルやフォルダの名前を入力するところにhyperrefと入れて検索してみてください.これで見つかればOKです.
使い方は,hyperrefパッケージを使いたいTeXファイルのプリアンブル(\begin{document}が始まる前)に

\usepackage{hyperref}

と書き足しておきます.これだけでOKです.あとは普通にコンパイルすれば,リンクの付いたDVIファイルが作られます.


(2)hyperrefを使って作成したDVIファイルをPDFに変換しよう!

(1)でできたDVIファイルを,リンクを付けたままPDFファイルに変換することができます.これには,dvipdfmというツールを使います.(このdvipdfm.exeは,地域システムのPCでTeXのバージョンアップ作業が終了したものであればすでにインストールされています.)

使い方はこんな感じです.(Thanks to Yamada-san!)
@TeXファイルのソースに
\usepackage[dvipdfm]{color}
\usepackage[dvipdfm,bookmarks=true,bookmarksnumbered=true,bookmarkstype=toc]{hyperref}
を足します.ただし,これを足すとdviファイルのハイパーリンクはなくなりますのでpdf化するときだけ使用してください

A以下の順でコンパイルしてpdf化(コマンドラインで行うことが必要です.)
☆「スタートープログラムーアクセサリーコマンドプロンプト」でコマンドプロンプトを立ち上げてやってみて下さい.

platex hoge
platex hoge
out2uni hoge
platex hoge
dvipdfm hoge

☆このときソースの拡張子を書くとうまくいかないみたいです.
☆またdvipdfmはgswin32c.exeを使うようなのでgswin32cにパスが通っていることが必要です.

(3)(2)の方法を使ったときに報告されている不具合&ご意見募集

このようにしてかっちょいいPDFファイルを作ることができる・・・はずなのですが,山田さんから次のような不具合が生じたという報告が寄せられています.試す前にご一読下さい!

1)epsファイル中の文字がうまく出ない.
 フォントが足らないのでしょうか.イラストレータ8.0で保存時にフォントを含む,
 サムネイルなし,プレビューなし,で保存したらこの現象がでなくなりましたが,
 もともと9.0で同様に保存してあるものでも問題が生じないものもありました.
 また,作業の都合上アクロバット4で確認していたのでアクロバット5を使用したら
問題ないのかも知れません.
 いろいろやりましたが関連がどうもよくわかりません.詳しい方教えてください.

2)目次としおりのハイパーリンクが狂うことがあります.
 これは\appendixがあると起きるようです.\appendix以前と以降の(たとえば)一章と補遺Iに
 おなじ\chapter.1のような名前をつけてリンクを張っているようで,区別がつかないようです.
 これはアクロバット4のリンクのツールで一つ一つコツコツ直すしかありませんでした.
(フリーのアクロバット5にはこのツールはついていません.)だれか詳しい方教えてください.

3)サムネイルができない.(これは仕様かもしれませんが)
 アクロバット4で'すべてのサムネイルを製作'という機能で作ります.これはたいした手間ではないです.


これらの不具合について,自分も困っているとか,こうしたら直りましたという報告をお待ちしています.(宛先はコチラ
良い方法が見つかり次第,このページ上でお知らせします.


5. まとめ


とにかく,TeXは便利で素敵な文書作成ツールなので是非慣れてくださいねってことです.早めに慣れておくことをおすすめします.とくに卒論作成が本格化する前までには・・・.

   


6. 参考文献など

このページを書くに当たり参考にしたものです.

「改訂版 LaTeX2e 美文書作成入門」奥村晴彦,技術評論社,2002(第2版)
TeX関係のサイト
奥村晴彦先生のホームページ
http://www.matsusaka-u.ac.jp/~okumura/texfaq/
岩熊哲夫先生のホームページ(卒論・修論のスタイルファイルなどはここからgetできます)
http://www.civil.tohoku.ac.jp/~bear/node12.html


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