旧ティーキシステム研究室版(TEXのアップデート)
Written by /泣き畑カズユキ
仙台市青葉山最高標高:トーホクウニバーシティ デビルエンジニアリング ティーキシステム研究室
ABSTRACT
現在地シスにおいては,乙部版platex2eのパッケージがインストールされており,gui-shellおよび秀丸をエディタに使っている者が多い.しかし,texのカーネルは頻繁にバージョンアップされており,本研究室のバージョンも最新のものであるのにこしたことがない.そこで,ここでは,現状のtex環境を変えることなく(gui-shellはそのままで),カーネルをアップデートする方法を紹介する.
お断り
基本的な用語・単語はまず読者自身で調べてください.どこまで詳しく書いたら読者が満足できるか分かりませんが,最低限のことは(読者自身でできるように)書いたつもりです.あと,以下でpathを通すという作業が頻繁に行われます.その際,前のtex環境に関連する古いpathが残っていたらすべて消してください.
1. はじめに
以下,現在のtex環境が c:\ptex(Cドライブ:ptexフォルダの意味)にすべて詰まっているものとして話を進める.ここで,c:\ptex\binからguishell.exeとguishell.cfgの2つを切り取ってデスクトップ等に移動しておく.
2.現環境の圧縮・削除
まず,万が一のため現存のTEX環境を保存しておく.ここではptexフォルダを圧縮しておく.(このとき名前を変えて保存しておくことは不可である.というのはdvioutでtexのルートを自動サーチする時に混同する可能性があるからである.)
圧縮後,新たにC:\ptexフォルダを「新規作成」する.
さらに古いバージョンのghostscipt7.*?をアンインストールしておく.[スタート]―[設定]―[コントロールパネル]―[アプリケーションの追加と削除]でghostscript関連をすべて削除.
3.角籐版texのインストール
角籐版のtexをインストールします.詳細は以下のページを参照.必要なパッケージ等はここからダウンロードできる.
http://www.fsci.fuk.kindai.ac.jp/~kakuto/win32-ptex/web2c74.html
ダウンロード群は(texinst740.zip+最小インストール+標準インストール)で充分である.ダウンロードしたファイルをすべてCドライブの\ptexに保存する.このとき,予めtexinst740.zipは解凍しておき,解凍されたものはすべて\ptexに入れておく.
そして,MS-DOSプロンプト(コマンドプロンプト)に次のように打ち込む.
c:
cd \ptex
texinst740 c:\ptex
そうするとダウンロードされたファイルが展開される.このとき,展開後の\ptexにbinとshareという2種類のフォルダができていることを確認する.確認後は
C:\ptexにある\binと\shareの2種類のフォルダ以外の個々のファイルは捨てて良い.
次に,Windows NT/2000/XP では, [スタート]―[設定]―[コントロールパネル]―[システム]―[詳細]―[環境変数]
とたどり,システム環境変数のところを見る.PATH
という欄があればそれをクリックして[編集]を押し,変数値の最後に
C:\ptex\bin と追加し,[OK]を押す.(再起動の必要はない.
開いているコマンドプロンプトがあれば,それだけいったん閉じる.)
Windows 95/98では,AUTOEXEC.BAT の最後に次の行を追加する.
set PATH="%PATH%";C:\ptex\bin
(Win95/98の場合はこれでいったん再起動する必要がある.)
4.ghostscript8.00(20/Dec/2002現在最新)をダウンロード・インストールする
http://prdownloads.sourceforge.net/ghostscript/gs800w32.exe?download
windows版ならgs800w32.exeでよい.
このとき,インストール先はC:\gsのデフォルトで行う.決してprogram filesなんぞにはインストールしないこと.
5.dvioutのインストール
http://www.matsusaka-u.ac.jp/~okumura/texfaq/dviout.html
に従って,ダウンロード&インストールする.tex314w.exeをダウンロードして解凍した後,解凍してできたフォルダtex314wをdvioutと名前変更して,C:\ptexにいれておくとよい.その際に,pathが通ってないとエラーが出る場合は,上記のpathの追加と同様にC:\ptex\dvioutを追加しておく.
6.gui-shellのインストール
デスクトップ等においてあったguishell.exeとguishell.cfgの2つを切り取ってC:\ptex\bin以下に移動する.
7.チェケラッチョ(check it out)
以上の手順をまともにやったら,今までのようにtexは機能するはずである.もし動かない場合は,次の2つのエラーが考えられる.(他の対処法は知らない)
(1)gui-shellが止まる
・pathの設定がちゃんとできているか?念のため再起動してみるのも方法の1つ.
・それでもだめなら,以下の記述をWindows NT/2000/XP では, [スタート]―[設定]―[コントロールパネル]―[システム]―[詳細]―[環境変数] とたどり,システム環境変数のところに以下の2つの記述を追加する.
新規で変数名TEXMF 変数値 C:\ptex\share\texmf
変数名TEXMFCNF 変数値 C:\ptex\share\texmf\web2c
(win95/98系の対処法は知りません.見つけて下さい.)
補遺3.にこれに関連した情報を更新しました!要チェック!(2002/12/24)
(2)dvioutでエラーが出る.
dvioutを立ち上げて,optionのinstallを選ぶ.install作業をもう一度やり直す.
このとき,古いtex環境が残っていると必ずエラーが出る.(だから圧縮してねっていったでしょ.)
8.結論
ティーキシステム研究室のtex環境を残しつつ,カーネルのバージョンアップを提案した.この結果,かなりのバージョンアップ効果が得られた.特に,timesフォントの利用,パワーポイントにアドオンできるTeXPointも使用可能になった.
今後は,これらの知識を後世に残していけるように,各年のtexマスターの成長に期待する.
謝辞:本研究のデモにおいてマツイさんの有益なご助言を頂きました.しかも,博論提出前の大事な時期だったので,自分のパソコンを使わず大西君のパソコンで試させて頂きました.ここに記して深甚なる感謝の意を表します.
補遺1.
ispell-3.2.06 for Win32はスペルチェックをしてくれるtex用のフリーソフトである.
Dosコマンドからしか実行できないが,かなり役立つソフトである.インストール先および方法はhttp://www.fsci.fuk.kindai.ac.jp/~kakuto/win32-ptex/web2c74.html
に載っている.このときアメリカ式の辞書を選ぶほうがいい.イギリス式だと綴りが若干違うことがある.秀丸から実行できるマクロも公開されているが,筆者が試したところ駄目だった.新たな挑戦者求む.
補遺.2
texpointはtexの数式をパワーポイントに貼り付けることができるアドオンである.その詳細はhttp://www.riam.kyushu-u.ac.jp/fluid/texpoint.htmlに示されているので参照されたし.ここで注意はghostsciptのpathを記述する必要があるということである,
補遺.3(2002/12/24更新)
このページによりTeXのバージョンアップを行った方からの,「こうしないとうまく動かないよ!」という情報を載せておきます.各自参考にしてください.また,それぞれのバージョンアップにおいて生じた問題点などに関してこちらまでメールしていただければ,随時更新していこうと思いますので,よろしくお願いします.(注;ただしあくまでも経験に基づいたご意見ですので,スタンダードな手法でない可能性もあります.あらかじめご了承下さい)
(山田助手より寄せられた情報)
Windows98SEで成功しました.ただしAUTOEXEC.BAT内の環境変数いじってます.私は
set path=c:\ptex\bin (set path=c:\ptex\bin)
set TEXMF=c:\ptex\texmf (set TEXMF=c:\ptex\share\texmf)
set TEXMFCNF=c:\ptex\texmf\web2c (set TEXMFCNF=c:\ptex\share\texmf\web2c)
を自分で書きました.(ただし私は\ptex\share以下を\ptexに置いて\ptex\shareを消してあります.フツーの人は括弧の中と
なります.)
査読意見1
Q1.texのインストールが面倒なんですが.
A1.それはどうにもなりません.っていうか,インストーラーに慣れすぎてるんじゃないですか?texは基本的にはDosコマンドで動くプログラムであって,GUIベースで便利にやろうとする他力本願(村上賢治もそう)は本来望んではいけないことです.
Q2.元々texがパソコンに入っていない場合は?
A2.新規にtexをインストールする場合や上記の作業がめんどくさい場合は,3にあるホームページの記載内容通りに実行すればよい.(旧数シスのみなさんがやっているように)
texをこれから始めるユーザーはそちらの方がいいのかもしれない.ただ,gui-shellを使いたい人は,乙部さんの本のCD-ROMからguishell.exeとguishell.cfgをコピーしてくればよい.さらに,秀丸との統合環境を実現させるためにはmacroファイルだけをコピーすれば良いはずである.(これはやっていないがたぶんできそう)